一人で出来るでっち上げ詐欺 ワースト5
第5位 葬式費用欲しさに実母が死んだことに
会社サボりたいから「義理のおばさんが急死して」とかいう
デタラメを言う人はようさんおるけど、
昭和50年のこの事件はけっこう笑えまんな。
S郎(当時43歳)は、
不動産会社に営業部長のとして半年以上まじめに勤務しとった。
ほんで、ある日、社長の自宅を訪ねて行ったんや。
「実は母が72歳で昨日亡くなりました。
私は3人の男兄弟ですが、長男はすでに他界し、
次男は新潟に住んでいるので、大雪でこっちに出てこられない。
だから三男坊の私が葬式を出さなければならないので、
葬式費用を、社長さん貸して下さい」
と涙ながらに語りよって、
社長から香典1万円と費用に40万円貰ったまではよかったんや。
しかも社長さんは親切なことに
S郎の地元の葬儀屋に花輪まで贈ってあげたらしい。
ところが、や。
葬儀屋が花輪を届けに行ったらな、
死んだはずのS朗の母親本人が出てきよって、
「私はまだ生きてるわよ、失礼ね」
ってかんかんに怒ってしまいよって、S朗の犯行がバレてしもた。
なんぼなんでも、香典代欲しさに実母まで死なしてまうなんてことは、
思いついてもやったらアカンな。
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第4位 地方の小学生の父兄や先生のウブさを利用
「美術出版ブーム」っちゅーのが日本で周期的に起きるんやが、
この事件は昭和33年前のそんな折のことやな。
K雄(当時42歳)はブームに目をつけてな、
まず東京都文京区に「大日本美術出版社」っちゅう
幽霊会社を作ったんや。
ほんで、次に有名な画家や美術評論家たちの名前を、
本人の許可も貰わんまんま「編集委員」の欄に書きよった。
ほんで、『全国小学校美術作品集大成』っちゅーデッチあげ全集
の出版を企画したんや。
それで、関東以外の北海道から九州までの小学校2000校に、
豪華な出版カタログと作品募集案内書を郵送しよった。
その結果、220校から2000点の小学生の絵が郵送されて来たわけや。
K雄はしめしめと片っ端から
「公正な審査で文部大臣賞に決まった。
ぜひとも貴校の生徒やお子さんの作品を全集に載せたいので、
本の予約代金と、全集参加契約料金を送って欲しい」
と父兄や先生に手紙を出しよった。
それで、まんまと80校250人から申し込みを受けて
70万円を騙し取ることに成功しよった。
出版願望やら親心やらをたくみに利用してるんやが、
地方の小学校に限定して、直接持ち込まさんかったところがミソやな。
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第3位 本場ボリショイでバレエ留学できるなんて
文部大臣のおスミ付きでも信用しがちやのに、次の話はなんと
「ソ連の文化省のおスミ付きで、ボリショイ・バレエ学校に、
1年間留学してみませんか?」
っていうスケールのデカいやつや。
旧ソ連て言うたら、昭和40年当時は超芸術大国やな。
日本におるバレリーナたちにとっては憧れの国やったわけや。
そんなバレリーナたちの夢に眼ェ付けて、M雄(50歳)は一儲け考えよった。
「ミュージカル協会代表」を名乗ったM雄は
「日本の舞踏家25人をボリショイ・バレエ学校に1年間留学させる。
ソ連文化省と提携した文化施設団として」
ってな内容のダイレクトメールを全国のバレリーナの卵に送ったんや。
一生に一度の絶好のチャンスやと思って話に乗ってきたバレリーナに
「ソ連大使館からのメッセージ」を郵送したり、当時はまだ海外旅行が
ポピュラーやなかったから、パスポート申請の手続き代行やったりとか、
めっちゃ手の込んだアフターケアもしよった。
夢見るバレリーナたちに銀行口座に総額100万円以上を振り込ませたんや。
その後、出発日が過ぎても「ポリショイの許可がおりない」と言い張ったまんま、
M雄はドロンしよった。
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第2位 これぞ、サギの痛快ホームラン
今度紹介すんのは、美術出版やらバレエやら、
その時々のブームに便乗したら、やっぱりサギもうまくいく
っていう典型的なケースや。
昭和40年のアマチュア野球ブームにつけこんで、
架空の「サラリーマン野球大会」を計画し、約270の会社チームから、
入会金、大会費やらの名目で約130万円を騙し取った
S蔵(当時27歳)って男がおる。
S蔵は東京都内の有名会社、約5000社の野球チームに
『東京都軟式野球連盟主催・第10回記念連盟旗争奪特別記念野球大会』
の案内を送りよった。
試合日程のトーナメント表やら使用球場は神宮第2球場を使うやら、
いろいろ綿密に書いとった。共催にはスポーツ新聞もつくとか書きよった。
ほんなら、なんも疑わんと多数のチームが加盟を申し込んだんや。
折り返し「入会金1500円と大会運営費3200円の計4700円を入金して欲しい」
とかいう請求書が来よったから、各チームはゼニを送ったんやが・・・
(合計130万円)
当たり前やけど、試合は一向に開かれずバレてしもた。
額は4700円とセコイんやが、よくもまあこんな
七面倒臭いデッチ上げ大会の詐欺を思いついたもんや。
大会当日に殺到しよった各チームからの問い合わせにも
「相手のチームが棄権したので不戦勝になりました。オメデトウございます。
したがって次の試合日程は〜」とか
「グランドコンディションが悪いので延期させていただきます」とか言うて、
もっともらしい応答を続けとったらしいから、
作り話にしてはよっぽど出来すぎてたんやろな。
でも、一番気の毒なんは、
ユニホーム新調して、仕事のあと練習で頑張ってきたサラリーマンやな
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第1位 議員と言う輩はカラオケ好きなもの!?
カラオケブームっちゅーのもなかなか下火にならんが、
今度は昭和60年のカラオケの話。
D介(当時50歳)は、東京都議をはじめとして地方議会議員に
「選挙の票集めに役立ちます。
ぜひとも先生にカラオケ同好会の会長になってほしい」
とか持ちかけよって、1都6県で200万円を
「会員費」として騙し取ることに成功したんや。
被害にあった議員も自民党、公明党、共産党と
思想信条に関係なく騙され放題。
議員相手に200万円で216件っていうから、
どこの党の議員でも1万円前後を、D介に支払った計算になるな。
D介は取り調べに対して、
「議員さんは騙しやすく、成功率は80%だった」と豪語してるしな。
「カラオケ同好会超党派議員連盟」、
ガン首そろえて皆ダマされよったってことや。
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