ようこそ法律の館08号室(署名と記名押印の部屋)へ


署名と記名押印はどう違うか




◆署名・記名押印とはどういうものか



「署名」は、

契約書やその他の書類などに

「本人が自分の名前を記載すること」で、

一般には
サインともいいます。





名は

自分で自分の名前を書くという
「自署」が原則であって、

他人が
本人の名前を書くことは署名とはいえません。

もっとも、他人が
本人の記名を代筆することも

法律で例外的に認められることがあります。

署名は本人が作成したことを

証明する意味をもっています。





れに対して

「記名押印」というのは、

契約書やその他の書類などに

「本人の名前を記載し、それに本人の印鑑を押印すること」

です。





名が署名と異なるところは、

本人の名前の記載をあらわす仕方が、

かならずしも本人の自筆(
自署)に限られず、

他の手段であらわすものも含むということです。

本人の名前の部分は、
印刷ゴム印

ワープロタイプまたは第三者の代筆でも

記名ということになります。

ここでは
押印が重要な役目をもつことになります。






◆契約書には署名か記名押印か


約は

契約の当事者の約束事です。

約束事を承認したという意味で
契約書

当事者本人が承認の
「しるし」をあらわすわけですから、

本人の自署である
署名は価値が高いことになります。





ころが、

わが国では昔から、その人のしるしとして

重要な書類に
「花押」を押したり、

また誓約したしるしとして

連判状に判を押すなどの歴史がありました。

「承認したしるし」に名前を書く以外に

判を押すということが一般的となり、

正式な
「承認のしるし」の仕方となっています。

ですから、
契約書記名押印

原則ということになっています。




こで、

商法のなかには
署名をするという

条文がありますが、

記名押印
が原則になっている社会に

合わせるため、

「商法中署名すべき場合に関する法律」によって、

商法中、署名する場合は、

記名押印で署名に代えることができることになっています。







◆署名のみの書類は有効か


名押印が原則であるとしても、

署名は本人の自署ですから、

「本人が作成した書類」という意味では、

証拠の価値としては
記名押印以上のものがあります。

ですから、
署名のみのものも有効です。





かし、現実には、

署名だけの場合は、
本人本当に署名したのかという、

署名の真実性が問題となります。

署名というのは、
「署名する人」の状態によって、

いつも同じとは限りません。

また、
第三者が書くということも考えられます。





名も三文判と同じように

誰でも
署名らしい結果を作り出すことができます。

そして、本人が自分の
署名でないと主張したときには、

筆跡鑑定などの手段によってその証明を

していかなければならないという場合も出てきます。

署名証拠価値の高いものですが、

事実性の判別がつきにくいということがいえます。








次回はなんと09号室!!


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