わが国でリース契約といっている契約の仕組みは、
いわゆるファイナンスリースといって、
機械を使用したい人が金融機関などから
融資を受けて機械を購入する代わりに、
リース会社に機械を購入してもらって、
これを賃借して使用するという方法です。
したがって、機械を使いたい人が機械の売り主と折衝し機械を選択しており、
リース会社は機械についての選択、検討はまったくしていません。
リース会社は機械のユーザー(使い手)の欲する機械を購入し、
ユーザーにリースして収益をあげるというものです。
ですから、リース会社のやっていることは実質的には融資です。
機械の所有権はリース会社にあるが、
これは融資に対する担保としての役割をはたしています。
リース料は、機械代金に利息、固定資産税、保険料、
場合によっては利益も加えた金額をリース期間で割って算出しています。
そのため、機械が思うように動かなくなってもリース会社は責任を負わず、
ユーザーはリース料の支払いを拒絶できないという契約の内容になっています。
前述したようにリース契約の場合は、
リース会社は実質は融資したのであって、
機械自体はユーザーが性能その他を検討してリース会社に申し入れたわけですから、
機械の性能が不足しているとか、思うように動かないといっても、
リース会社が責任を負わないという契約はなんら不当なものではありません。
したがって、リース会社に文句を言ったり、
リース料の支払いをストップするわけにはいかないのです。
◆誰に責任を問うか
リース会社に文句を言えないとすれば、
ユーザーは誰に機械の補修の請求や損害賠償をしたらよいのでしょうか。
契約によっては、リース業者が機械を購入するにあたって、
売り主がユーザーに対して直接瑕疵担保責任を負うという約束をしている場合もあります。
またリース契約によっては、
リース会社が売り主に対するこれらの請求権を
譲渡するという定めをしているものもあります。
これらの約束を根拠に、
機械の売り主に損害や補修の請求をすることになります。
一般にリース契約というのは、
レンタル契約とは別のものをさしています。
いずれも日本語でいえば賃貸借ですが、
その法律的な内容はかなり違うものです。
たとえば、機械をレンタルで借りた場合は、
その機械が悪ければ機械を返し、
返した後の賃料(レンタル料)の支払いを免れることができます。
ところがリースした場合、
機械の調子が悪いからといってリース料の支払いをストップすることはできない
というのが通常のリース契約です。
次回はリースとレンタルの部屋!!!