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リース契約とレンタル契約はどう違うか

◆リース契約とレンタル契約
(5/22)

リースしていたパソコン機器が不要になったから返還した。

にもかかわらずリース料が未払いだという請求を受けた。

返したのになぜ請求がくるのか

こんな争いをときどきみかけます。

賃貸借なら賃貸物を返したらリース料の支払いは必要ないはずです。

リース(lease)は、

英和辞典には「借地(借家)契約」とか「賃貸借期間」などと出ています。

一方レンタル(rental)は、

「賃貸料」とか「金をとって貸すもの」となっています。

いずれも賃貸には変わりないようです。

この争いは言葉を日本風に独特の使いわけをし、

これが一部で慣用化したところから誤解が発生する原因になっているようです。


◆リース契約の仕組み


辞書によってはリースというのは

比較的長い期間の賃貸借契約をいっていると解説しているものもありますが、

わが国でリースといっているのは単なる賃貸借契約ではありません

正確にはファイナンスリース契約というのを略して、

単にリース契約と呼んでいます。

ですから、わが国のリースの本体はファイナンス(finance)

つまり融資であって、リース物件は担保という意味をもっているわけです。


たとえば、A社が銀行からお金を借りて

C社のパソコンを買おうとします。

このとき銀行はA社の資力からお金を貸すことを断ったとします。

そこで、A社はC社のパソコンを導入する方法として、

B社に頼んでC社のパソコン(A社の好みのもの)を買ってもらい、

これを借り受けるという形をとります。

これがファイナンスリースの仕組みです。

これはB社がA社にパソコンを買うお金を貸して、

B社はA社がC社から買ったパソコンの所有権を担保として、

移転を受けるという手続きを省略した形と理解すればわかると思います。

簡単に言えば、ファイナンスリースは実質は融資であるわけです。

そのためにファイナンスリース契約の場合には、

リース物件の返還があっても契約期間は

リース料の支払い義務があるという契約内容になっています。

リース料はパソコンを買い受けた金額に利息、

保険料などを加えた金額をリース期間で割った金額になっているわけです。

というのは、リース会社はパソコンを返してもらってもなんの価値もなく、

またリースを受けた者以外には利用価値が少ないということもあります。

もっとも、自動車などのように誰でも使用でき、

中古になっても商品として使えるもののリースは、

残存価格を決めてリース期間終了時に清算するという形をとっています。


レンタル契約は通常の賃貸借



レンタル契約は、私たちが通常考えている賃貸借です。

レンタル契約は使用期間の賃貸料を支払うことが原則になっていて、

賃貸物を返還すれば賃料の支払い義務はなくなることになります。

前述したように、自動車などのように、

リースにもなりレンタルにもなる物件もあるわけで、

この区別は契約の内容によって決まります


 

次回は法律の館2階04号室へ!!!


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