契約を結ぶには、
かならずしも本人がしなければならないとは
決まっていません。
本人から権限を与えられた人が、
本人に代わって契約を結ぶこともできます。
たとえば、ある物を買おうとする場合、
代理人を立てて売買契約をしたときには、
たとえ本人が直接契約しなくても
本人は買い主の権利(買った物を引き渡せという権利)を取得し、
義務(売買代金支払い義務)を負うことになります。
他人に代理権を与えて契約を結ぶ場合にも、
代理人がした行為は本人が行なったと同じように評価され、
本人が権利を取得し義務を負うことになるので、
代理人の選択は慎重に行ないたいものです。
◆代理人の選び方
前述したように、
代理人が行なった行為の結果は本人に及びますから、
代理人となる人は依頼されたことを
忠実に行なってくれる信頼できる人を選ぶことが必要です。
というのは、たとえ代理人の行為が本人の委任した趣旨に反しても、
その効果が本人に及ぶからです。
たとえば、ある物を購入する権限を与えたとき、
購入代金は100万円以下で買うように依頼したにもかかわらず、
代理人が150万円で買うという売買契約を結んだ場合、
本人は150万円で買ったということになってしまいます。
ですから、代理人が本人の意向を理解し、
忠実に行為がされると信頼できる人を選択する必要があります。
また、契約の内容によって専門的な知識判断を要するようであれば、
その専門に通じた人を選任することが必要となります。
契約は代理人でも結ぶことができますから、◆本人への確認と委任状など
相手方が直接出ることなく代理人で契約することもあります。
この場合は、契約の相手方が本当に代理人と称する人に
代理権を与えたか確認する必要があります。
もし、代理人と称する人が代理権を与えられていなかったら、
相手方との契約は無効になってしまいます。
代理権があるかどうかの確認の仕方は、
代理人に対して代理権があるのか、
また、与えられた代理権の範囲を確認することから始まります。
代理権があると言われたときは、
客観的な証拠として本人が代理権を
代理人に与えた委任状などで確認します。
もっとも、委任状は三文判でも作れるので
本人の印鑑証明書を添えてもらって、
実印で作成された委任状で確認することです。
このような委任状、印鑑証明書があっても、
確実を期するためには本人に代理権を
与えたか否かを確認することが望ましいです。
◆代理人の調印の仕方
代理人による契約の調印は、
「○○代理人甲野太郎」というように、
本人の名前を明らかにしたうえで
代理人であることを表示して代理人の名を記し、
代理人の印で押印します。
そのまま次回は2階20号室へ!!!