ようこそ法律の館3階13号室(約束手形の注意点の部屋)へ
約束手形の金額や振出人を
書くときの注意
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手形の金額記載はチェックライターで

約束手形は金銭的価値のある有価証券ですから、

その記載が明確でなければなりません。

また、手形金額はその価値自体に影響があり、

約束手形の振出人は振り出すことによって

一定の金銭の支払い義務を負いますから、

慎重にしなければなりません。

手形金額は手形の金銭的価値を左右するものですから、

誤記があったときに後から誤記であったといっても困ります。

というのは、手形は流通することを予定されているものですから、

裏書によって人の間を転々と移転します。

当初の受取人は別にしても、最終の所持人に至までの所持人は、

その手形が、手形に書かれた金額の価値のあるものとして取り扱い、

流通しているので、決済にあたって、

誤記だからといって書かれた額面が支払われないのでは、

手形の信用力もなくなってしまいます。

また、振出人が約束手形に書いた金額に、

誰かが手を加えて違う金額に書き換えたり(改ざん)したときは、

振出人の責任が変わってきます。

ですから、手形の金額の記載は慎重にされることが

必要であると同時に、改ざんされにくいような

記載の仕方が望まれます。

そのために、金額欄はチェックライターを用いて

手形用紙に金額の数字を凹凸のある刻印によって行なうか、

壱、弐、参などの漢数字を用いているのが一般的です。

◆異なる手形金額が
二つ記載されているとき

 

同じ手形に手形金額が文字と数字で記載されていて、

それぞれ金額が異なるときはどちらが正しいのか

という問題があります。

この場合は、文字で書かれたほうが

手形金額として扱われることになります。

というのは、アラビア数字より漢数字のほうが改ざんされにくく、

また記載も慎重になるため誤記の可能性も少ないからです。

また、同じ手形にアラビア数字が二つ記載されていたり、

漢数字が二つ記載されているときも問題ですが、

いずれも金額の少ないほうが手形金額として扱われます。

というのは、すでに手形を改ざんするとすれば、

金額を大きくして価値を高めることはあっても、

価値を少なくするような改ざんは考えられないからです

◆振出人の記載は記名、押印を

 

振出人の記載は振出人欄に署名

または記名押印をするという仕方です。

法人の場合は会社名を書き印を押すというのはダメです。

あくまでも「○○株式会社代表取締役 甲野太郎」というように、

会社の執行機関として代表者が行為したことを

明瞭にして押印する必要があります。

ところで、このような形式があるにもかかわらず、

押印した印が銀行に届けてある印と異なるときは

「印鑑相違」として決済を拒絶されることがあるので

印を間違えないように注意します。

しかし、これは実務がそうだというのであって、

法的には有効なものです。

また肩書住所は必要ありませんが、

支払地や振出地の記載が欠けたときに、

肩書住所地で必要的記載事項が補充されるというメリットがあります。

そのまま次回は3階14号室へ!!!

 


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