マンガのキャラクターを玩具にしたりすることを
一般には「商品化権」といっています。
マンガのキャラクターは著作権に属する問題ですが、
わが国では、これらを商品化する権利というものを
法律で定めてはいません。
ところが、現実には著作権者がマンガのライセンスを
与えるルールや手続きを定めている場合が多々あります。
ですから、これに基づいてマンガのキャラクターを
商品化しているのが一般的です。
◆マンガは著作権である
前述したように、現実の社会では、
マンガのキャラクターを商品化することが
著作権に含まれる複製権のような扱いがなされています。
しかし、マンガのキャラクターについての
複製権というのはこれを複製することであって、
これをもとにして実用品であるものを作ることは
複製ではありません。
マンガが著作権で保護されるのは
美術的な著作物として、
本来の目的の範囲内であるべきです。
玩具を作るということに利用する場合は、
むしろ意匠の範囲に入ってきます。
しかし、実務の扱いが複製権の
一種と考えられている以上、
理屈を言っても現実に使用の承諾が与えられないので
前述したライセンス契約をしてトラブルを避けることも必要です。
◆マンガのキャラクターの
意匠登録と承諾
マンガのキャラクターなどを独占的に商品化する権利は
本来意匠権の範囲に属することです。
ですから、マンガのキャラクターについて
著作権者が意匠登録をしている場合もあります。
むしろこれが本来の形といえましょう。
この場合は、この意匠権者から専用実施権や
通常実施権の設定をしてもらい、
商品化することになります。
ところで、マンガの著作権者でないものが、
マンガのキャラクターについて意匠登録を出願し、
意匠登録がされるということもあります。
というのは、著作権と意匠権とは別個のもので、
意匠登録は一定の要件が備わっていれば
意匠として認められ登録されるからです。
しかし、意匠登録されたからといって、
マンガのキャラクターを商品化するには障害があります。
登録された意匠でも、その前にすでに他人の著作権があり、
これに触れるときは意匠を実施することができない
ことになっています。
したがって、マンガのキャラクターについて、
たとえ他人が意匠権をとったとしても、
商品化しようとすれば結局は
マンガの著作権者の了解を得なければならなくなります。
◆マンガの国際化と商品化
現在では、マンガは一国だけでなく、
国際化してきています。
わが国でも「スヌーピー」や
「ミッキーマウス」などの人気は
おとろえていません。
マンガのキャラクターの商品化といっても
外国の著作権などは、
外国の法律で決められることになります。
そこで、現実にはその国の法律や習慣を調べる必要があり、
その国にあった方法をとることになります。
たとえば、イギリスなどでは著作権を商品化したものを
「意匠著作権」という名で権利として保護しています。
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