ようこそ法律の館5階05号室(キャラクターの著作権の部屋)へ
マンガのキャラクターを商品化、
どういう契約か
(6/11)

◆マンガの商品化権とは

マンガのキャラクターを玩具にしたりすることを

一般には「商品化権」といっています。

マンガのキャラクターは著作権に属する問題ですが、

わが国では、これらを商品化する権利というものを

法律で定めてはいません。

ところが、現実には著作権者がマンガのライセンス

与えるルールや手続きを定めている場合が多々あります。

ですから、これに基づいてマンガのキャラクターを

商品化しているのが一般的です。


◆マンガは著作権である

 

前述したように、現実の社会では、

マンガのキャラクターを商品化することが

著作権に含まれる複製権のような扱いがなされています。

しかし、マンガのキャラクターについての

複製権というのはこれを複製することであって、

これをもとにして実用品であるものを作ることは

複製ではありません。

マンガが著作権で保護されるのは

美術的な著作物として、

本来の目的の範囲内であるべきです。

玩具を作るということに利用する場合は、

むしろ意匠の範囲に入ってきます。

しかし、実務の扱いが複製権の

一種と考えられている以上、

理屈を言っても現実に使用の承諾が与えられないので

前述したライセンス契約をしてトラブルを避けることも必要です。

 

◆マンガのキャラクターの
意匠登録と承諾

マンガのキャラクターなどを独占的に商品化する権利は

本来意匠権の範囲に属することです。

ですから、マンガのキャラクターについて

著作権者が意匠登録をしている場合もあります。

むしろこれが本来の形といえましょう。

この場合は、この意匠権者から専用実施権

通常実施権の設定をしてもらい、

商品化することになります。

ところで、マンガの著作権者でないものが、

マンガのキャラクターについて意匠登録を出願し、

意匠登録がされるということもあります。

というのは、著作権と意匠権とは別個のもので、

意匠登録は一定の要件が備わっていれば

意匠として認められ登録されるからです。

しかし、意匠登録されたからといって、

マンガのキャラクターを商品化するには障害があります。

登録された意匠でも、その前にすでに他人の著作権があり、

これに触れるときは意匠を実施することができない

ことになっています。

したがって、マンガのキャラクターについて、

たとえ他人が意匠権をとったとしても、

商品化しようとすれば結局は

マンガの著作権者の了解を得なければならなくなります。


◆マンガの国際化と商品化

 

現在では、マンガは一国だけでなく、

国際化してきています。

わが国でも「スヌーピー」や

「ミッキーマウス」
などの人気は

おとろえていません。

マンガのキャラクターの商品化といっても

外国の著作権などは、

外国の法律で決められることになります。

そこで、現実にはその国の法律や習慣を調べる必要があり、

その国にあった方法をとることになります。

たとえば、イギリスなどでは著作権を商品化したものを

「意匠著作権」という名で権利として保護しています。


次回は5階06号室へ!!!

 


戻る