ようこそ法律の館5階06号室(意匠と商標の部屋)へ
意匠と商標はどう違うか
(6/11)

◆意匠と商標の意味

「意匠」というと難しく感じられますが、

「デザイン」のことだといえば理解しやすいと思います。

意匠を登録すると「意匠権」として

他人を排除して

独占的に使うことができる権利
となります。

法律で保護されるかわりに、

登録するには一定の要件に

合致しなければなりません。

これにはいろいろな注文がつきますが、

基本的には量産できる商品で、

形や模様、色、これらを組み合わせて

独創的に作られていて、

人が見て美しいと感じられるものをいいます。

平面的なものもあれば立体的なものもあります。

これに対して「商標」というのは、

いわゆる「トレードマーク」のことです。

文字や図形、記号、これらを組み合わせたもので、

業者が「自分のところで生産した商品だ、

加工したものだ」として商品につけて使う

「しるし」といっていいでしょう。

商標権も一定の要件を備えたときは

登録することができ、

登録されたときは商標権として他人を排除して、

独占的に使うことができる権利となります。



◆意匠と商標の違い

 

(1) 目的の違い



意匠は独創的なもので、

人に美しいと感じさせることが要素になっています。

それでこそ商品として顧客を引きつけることができます。

この「発想」を保護しようとするのが意匠法の趣旨です。

これに対して商標は

「その商品は自分のところのブランドだ」という

「しるし」です。

商品の出所をはっきりさせて、

他社の商品とは違うのだ、

という主張のしるしといってよいでしょう。


(2) 使われ方の違い


意匠は商品そのものになされているということに

特色があります。

商品が形や色などによって

独創的な美観をもつようになっているということです。

ですから、意匠は商品を離れては存在しません。

これに対して、商標は商品そのものではなく、

商品と離れて存在する別なものです。

というのは、商標は「商品が自分のところの製品だ」という

「しるし」であり、

それがわかるように自社の商品につけられるものだからです。


(3) 表現方法の違い


意匠は商品そのものですから、

平面的な表現のものも立体的な表現のものもあります。

また意匠は、独創的なもの、

美観を要求するものですから、

普通の文字は意匠としては認められません。

これに対して、商標は平面的なもののみで、

立体的なものは認められていません。


◆意匠と商標の共通点


意匠は、本来商品の出所や信用

目的としたものはないが、

意匠が続けて使われると、

「あの商品は○○社のものだ」というように、

商品の出所や信用をあらわす役割をもつようになります。

商標はもともと商品の出所、信用を目的としていますから、

この点では同じ役割をはたすことがあるといえます。

また意匠と商標は、

いずれも目で確認できるという点で共通しています。

次回は5階07号室へ!!!

 


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