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広告に有名タレントの写真を使う場合
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◆有名タレントの写真がもつ性質

有名タレントの写真は、

普通の人の写真とは性質が異なります。

普通の人が普通の人を撮影した写真は、

あるがままの人物を、あるがままに写したもので、

そこには芸術的な要素はあまり入ってきません。

ところが有名タレントの写真というときは、

撮影者はプロの写真家

またはそれに類した者の作品という性質をもっています。

プロの写真家が有名タレントを撮影するというときは、

写真家はモデルとなるタレントから表情は構図などを考え、

撮影角度を変えたりして撮影し

、これによって意図した感情、

思想を表現したものが有名タレントの写真になっています。

つまり、有名タレントの写真は美術的著作物になり、

無断で使用すると著作権侵害になります。

◆著作権はどうなるか

有名タレントの写真は、

撮影者である写真家の著作物ですから、

無断で使用するわけにはいきません。

まず著作権者である撮影者に、

作品である有名タレントの写真を複製して、

広告に使用するということを承認してもらう必要があります。

承認してもらうためには、

写真の使い方についての説明をしておかないと後日、

問題が起きる場合があるので注意しなければなりません。

もちろん、なんの広告に使うのか、

作成する広告の枚数、掲示場所、

方法など誤解がないようにすることです。

また、写真家に使用料

いくら払うかということを決めなければなりません。

使用する枚数は、この使用料を決めるのに関係してきます。


◆肖像権はどうなるか

 

ところで、撮影者である写真家の承諾が得られても、

まだクリアーしなければならない問題があります。

それはモデルとなっている有名タレントから広告に

使ってもいいという承諾をもらわなければなりません。

有名人には肖像権があります。

肖像権というのは、肖像を使用させ財産的な

利益を受ける権利といっていいでしょう。

また、自分の肖像を使用されないという権利で、

その人の人格的利益についての権利

という面ももっています。

この場合、有名人と普通の人の場合は違ってきます。

というのは、一般人がたまたま写った写真を

掲示されたところで、

社会に知れ渡っているわけではないので、

その人の財産的利益や信用、

人格が傷つくということはありません。

ところが、有名タレントとなれば、

写真を見れば誰でもわかりますから、

その写真の使われ方によっては、

モデルのプライドや信用を損ない、

人格を傷つけたりすることにもなります。

ですから、どのような広告に使うのか、

どういうところに掲示するのかということも

有名タレントに説明することが必要です。

これらをクリアーして、使用料をいくら払うか

という問題になります。

使用料は使用枚数に関係して決められることが多いようです。




 

次回は5階10号室へ!!!

 


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