●社長が夜逃げ!給料はどうなる!?
(6/19)

勤め先の会社が倒産し、社長が夜逃げ。

退職金はおろか月給も数カ月分未払い!

明日は我が身、救済策を知っておこう。

まず、思い浮かぶのが失業保険。

雇用保険の給付申請を職業安定所に出そう。

◆未払賃金の立替払制度


職安で事情を話すと、

未払い賃金の立替え払い制度があることを告げられる。

この制度の受付け窓口は『労働基準監督局』

各労基所には『賃金の支払の確保等に関する法律に

基づく未払賃金の立替払制度』という

パンフレットが用意されており、

赴くと係官から説明を受けられる。

倒産した企業で雇用されていた労働者に

未払い賃金の8割を支給するのがその内容だ。

 

【支給の条件】

1年以上にわたって事業活動を行ってきた

企業に雇用されてきた人で、未払い賃金が残っていること。

「賃金」には月給と退職金が該当し、

ボーナスは含まれない。(残念)

役員はこの制度の対象外。(チャンチャン)

具体的な申請の方法は、法的な破産、

和議などの場合は管財人から「未払賃金」の証明書

出してもらう。

 

◆経営者が蒸発した場合

 

だが、『社長が夜逃げ』となると、

手続きがややっこしくなる。

倒産・退職してから6カ月以内に、

労基所から「事業活動が停止し、

再開の見込みがなく賃金の支払い能力がない」

という認定を受けなければならない条件が加わり、

さらに、『立替払制度』の適用を受けるには・・・

「賃金台帳」

「就業規則」

「退職金規定」


などの資料の提出も必要。



零細企業には、

これらが文書化されていないケースも多々あるので、

日頃から注意が必要だ。

(なぁなぁで働いていると、最後までなぁなぁになるってこと)

これらの条件を満たして認定されると・・・

30歳未満56万円

45歳未満104万円

45歳以上136万円



を上限として未払い賃金の立替え払いを受けられる。

原資は労災保険

実際面での事業運営は労働省

(現・厚生労働省)の外郭団体

『特殊法人:労働福祉事業団』

が行っている。

年々増える・労災保険立て替え払い
年度 立替え件数 支給人数 支給総額
98年 2,346件 42,304人 173億3,900万円
99年 2,713件 46,402人 201億4,900万円
増加率 15.2%up 9.6%up 16.2%up
労働省(当時)の資料を参考



◆債権譲渡という仕組み

「立替え」なので返済が気になるところ。

これは労働福祉事業団が債権者となって、

支払い義務のある人に請求するので、

受取った人に返済義務はない。

上限が設定された金額は微々たるものだが、

お先真っ暗となった人には朗報では。

詳細は最寄りの労基所で。


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