●不動産詐欺の手口●

●CASE No.1  ●CASE No.2  ●CASE No.3  ●CASE No.4

●CASE No.5  ●CASE No.6  ●CASE No.7  ●CASE No.8

●CASE No.9  ●CASE No.10  ●CASE No.11  ●CASE No.12

CASE No.12
価値のない物件を価値のあるように売る?
(8/2)

不動産詐欺のパターンをまとめてみると、次の3つになります。

1.無価値な物件を売りつける。また、無価値な物件を担保にして金融期間から借入れをすると言う手口で、ハナから抵当流しをする気でいる。

2.他人の不動産を無断で売却する。

3.不動産物件に難癖をつけて不当に安く買い叩いてしまう。
難癖をつけられるように材料を仕組んだりして欠陥物件に仕立て上げ、買い叩くわけである。

では無価値な物件というのはどういうものでしょうか。

たとえば、実際の時価が坪千円の原野を坪一万円で売りつけるようなケースで、近くに高速道路が建設され、しかも売ろうとしている土地の辺りがインターチェンジに予定されていると極秘情報を耳打ちするのです。これでも疑うようなら、日本道路公団の職員を登場させるのです。もちろんニセ職員ですが、その職員がおもむろにニセの道路建設予定図などを広げるのです。あとは「あの土地を買いたいんだが」と言わせればいいということになる。買主になる人は、「買っておけば買値の十倍」などと皮算用して、ニセの儲け話にのってしまうものです。

この手のサギを仕掛けるには、いくつかの手口があります。

1.北海道・九州などの原野をいかにも価値があるように売りつける手口

2.近くに駅ができるとか、再開発地域になった、温泉が見つかった、大学などができるなど、その周辺の状況がよくなるということをネタにする手口。

3.斜面であるにもかかわらず、その事を隠して、いかにも平坦な土地であるかのように偽って売却する手口

4.実際に売りつける土地と現地で見せる土地とを変えてしまう手口

5.担保などが大量に設定されている事実を隠し、なんの制限もない無傷の物件のように見せて売ってしまう手口(この際、登記簿謄本を改ざんしたり、登記簿原本に虚偽の記載をしたりして、虚偽の登記簿謄本をでっちあげることになる)

6.価値のない物件をあたかも財産価値があるかのように過大評価させ、それに基づいて担保権を設定させてカネを借りる手口
素人をダマすにしろ、玄人に近い人をダマすにしろ、不動産詐欺を仕掛けるには不動産に関するある程度の知識が必要とされる。それに対抗するには、こちら側も不動産の専門知識が必要になるのです。

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CASE No.11
「市街化地区になる」って売却すればいい?
(7/31)

新聞の折り込み広告に「近く隣接地は市街化区域に編入!値上がり前の今こそお買い得!」と出して客を誘い込みます。価格はびっくりするほど安くなっています。

お客が来たら「今は調整区域ですから家は建てられませんが、ご覧のように近くまで家が建ってきているでしょう。いずれはここも建てられます」と説明。「今すぐなら駄目ですが、1、2年すれば大丈夫、建てられます」と言って、土地を購入させ、全て売り尽くしたら、会社をつぶすんです。

何ヶ月かして、買主が役所を訪ねて、購入した土地がいつごろ市街化地域になるのかの見通しを聞くころには、会社はきれいに無くなっているのです。

役所で「あの地域は市民の反対が強いので5年や10年で市街化地域に編入される事はありません」と答える事になるでしょうが、もともとダマすつもりで近く編入と広告したわけです。いつになったら家を建てられるかわからない土地をつかまされたということになるのです。

市街化調整区域は、市街化を抑制すべき地域として、もとより住宅は建てられません。市街化地域に編入される事が絶対にないとは言えませんが、めったに編入されませんし、あったとしても誰も予言できないと言っていいのです。ですから、相手が"まともな業者"であれば誇大広告であり、家を建てる目的でその土地を買うという申し出に対しては説明の義務を尽くしてことにならないとして、業法所管課に相談すれば、解約に応じるように指導してくれるでしょう。しかし、会社がなくなっていれば、どうしようもないのです。

市街化調整区域では家を建てられないということは広く知られており、いくら悪質な業者であっても、立てられるという広告は出せません。しかし、政府や自治体が線引きの見直しの方針などを打ち出すと、有象無象が動き出して「将来市街化地域に編入」などといったおかしな広告が出る事になるのです。

説明でも「今は市街化調整区域だが、県のお役人の話では近く市街化区域になるということです」などとホラを吹くヤカラも出てくるのです。

そのような雰囲気がかもし出されているときには要注意なのです。気をつけないとひっかけられます。近い将来市街化地域に編入されるような土地を、素人がすぐに手に入れる事ができるなどと考えるのは大きな間違いなのです。

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CASE No.10
こんなやり方で他人の土地を売ったやつが!
(7/30)

地面師が、この土地を売ろうとすると、その土地の登記簿を登記所で調べ、その土地の所有者の住所、氏名、坪数などを手帳にメモしてきます。それから自分を原告、所有者を被告とする土地所有権移転登記請求の訴えを起こすのです。訴えの内容はもちろんデタラメ。代金を支払ったのに登記名義を変えてくれないといった理由をでっちあげます。

訴状を裁判所に出すと、その訴状の副本が被告である所有者に送られますから、所有者の住所を他の場所に移し、家の玄関に所有者の名前の表札をかけておくのです。

次に、すぐに裁判になるように事件の少なそうな裁判所を探して訴状を出すのです。そのため、原告の指定する裁判所で訴訟をする事に同意するという「管轄合意書を」でっちあげれば、どの裁判所でも裁判が起こせるのです。

そうやって裁判所の呼び出しを待つのです。

裁判所では被告席に座って、裁判所から送達されてきた訴状の副本と呼出状を見せれば、ホンモノの被告であると判断するものです。

そこで、原告が訴状を陳述し、被告が訴状の記載どおりであると認めてしまうと、民事訴訟の建前として、裁判所は、それ以上の事に立ち入ることはないのです。被告が事実を認めれば、ただ一回の審理で「所有権移転の登記をなすべし」という判決が出るということになるはずです。

この判決正本が原告と被告とに送られてきますが、2週間以内に控訴がなければ判決が確定する事になります。そうなるとこの判決正本によって、単独で移転登記が可能になるのです。

ここまでくると、登記の名義人が地面師そのものになりますから、その土地を買っても間違いないと思うはずです。移転登記もできます。

とはいえ、もともと地面師の登記は、裁判所をダマして得た判決によってなされたものですから、ホンモノの所有者が、後日、無効登記抹消の訴訟を起こせば、地面師はもちろん、地面師から土地を買った者の登記も、順送りに抹消される事になってしまいます。そうなっても地面師はカネを手にしてドロンすればいいだけで、土地を買った人は踏んだりけったりということになります。結局、土地もカネもパーということになります。

恐るべきは地面師です。土地を買うときには、土地の所有者を何代か逆のぼってチェックする必要がありそうです。

実際、こういったケースは多い。それにしても所詮、法務局もお役人やね〜。

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CASE No.9
カネをくれた上、取り壊しまで?(7/29)

マンションを建てるので近所の住人と話し合って一戸当たり5000万円を支払い、残金の3000万円は、2ヶ月後に建物を取りこわしたら、それを引きかえに渡すということでうまく話がまとまりました。

住民は思いがけない大金にホクホクしながら転居先を探したが、またたく間に建物の取りこわし期限が近づいた。建物を取りこわすには相当の費用がかかるのです。コワシ屋に頼むと1坪当たり5万円はかかるという話でした。「こんなことならコワシ料まで保証してもらえばよかった」とボヤいていたときに、いかにもコワシ屋の親方風の男がやってきたのです。

「この家の取りこわしをまかせませんか。柱や敷居の材料など、利用できるものは何でも利用しますから、私のほうからこの家の買取料を50万円ずつお支払いいたしましょう」

ここにダマしのポイントがあるのですが、夢のような相談だと全員が思ってしまったのです。カネを渡すのに際して、その男はちゃっかりとこんな念書を取ったのです。

「念書 
一、 金五拾万円也
右正に受領いたしました。つきましては、私所有の家屋は一切貴殿に譲渡し、貴殿においては、これをいかように措置されるも後日一切異議申し述べません」

 
男は、この念書を各人から受け取ると、配下の者を各人の家に住み込ませたのです。
それ以後何日たっても、いっこうにその家を取り壊そうとはしなかったのです。

約束の2ヶ月が近づくのを、誰もが取り壊しを催促したが、「念書で、この家は俺のものになったはずだ」とウソぶいているだけでした。2ヶ月以内に取り壊さないと残金の3000万円はもらえないと皆が青くなったが後の祭。

2ヶ月を過ぎた日に、男はマンション業者に、立ち退けないという挨拶をしに行った。

マンション業者もびっくりして、こう考えてその男に話した。
「一人3000万円づつの残金は、約束を守らなかったので払わずにすんだ。そのカネをあなたに支払うから家をこわしてください」

親方は二つ返事でオーケーをし、アッという間に全部の家を取り壊してしまったのです。

その後、こんなウワサが立ったのです。
「住民に支払うべき2000万円をコワシ屋男にもって行かれた格好になっているが、これはマンション業者とコワシ屋のデキレースに違いない」

「信じるものは救われる」という時代はもう終わったようですね。

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CASE No.8
地主の知らないうちに家を売りはらった!(7/27)

借金で首が回らなくなった男の家をカネ貸しが売っぱらってしまったのです。その手口はこうです。

その男になりすまして、他人の土地の上に建てられた家屋を、その地主の承諾もなく売ってしまったのです。売っていいという許可を受けるのが難しいので、そうしたのです。借地借家法では、売買の前に売渡人から裁判所に申請して、地主の承諾に代わる裁判をしてもらえることになっていますが、それでも許可の裁判はかなりの時間を必要としていますから、その手続きをカネ貸しがやることなどほとんど考えられないことです。

手っ取り早くカネを手にするために、買い手をダマしたわけです。

家屋を買うに当たって、地主と家屋の持ち主が別なため、
「借地だと面倒な事にならないか」という質問が出された。そのときカネ貸しはこう言って、最後にはタイミングよく念書の話を出したのです。

「ご心配には及びません。といいますのは、この土地は私の大親友の鈴木が所有しています。親友というものはいいもので、ここ何年も地代の請求をしてきたことがないのです。私の言うことなら何でも聞いてくれます。そうだ念書をいれましょう」

念書には、「右敷地の借地の件については小生の大親友である地主の鈴木殿の同意を得て貴殿に譲渡することを承認済みに付き、念のためここに附言し右保証します」という文句が書かれていたのです。

ところがこんなことを信用したら大変なことになります。念書があったところで、後から地主に「なんの相談もなく、けしからん」とどなり込まれることになる。こんな例が非常に多いのです。買受ける前には、地主と会って、地主の承諾があったかどうかを確かめる必要があります。そうでなければ念書などあっても、全然意味がないのです。買主は完全にいっぱいくってしまったわけです。

地主は買主に、こう言ってくるでしょう。
「自分の知らないうちにこんなことになっていた。地主にひと言もなく売ったのもよくないが、あなたもウカツではないか。こんなことを黙って見ているわけにはいかない」

これに対してこう言ったとしても意味がないのです。
「売主が保証すると言った念書があるんですよ」
建物を売りたいと思っても、地主が借地権譲渡の承諾をしないので、このようなサギの手をとったのです。

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CASE No.7
1ヶ月たってから解約はできません(7/25)

山の中に連れ込んで、脅迫的に別荘地を売りつけたり、温泉につれて行って酒を飲ませてリゾートマンションの売買契約書にハンを押させてしまうといった不良業者が跡を絶たないのですが、ムリヤリ契約書に署名捺印させられてしまっても、断ったり、解除できないと思い、しばらくして、やっぱりカネがないからキャンセルしたいと申し出て、泣く泣く20%の違約金をとられたということを聞くことがあります。

キャンセルできずに、不良マンションや、不良建売住宅、タヌキの出そうな別荘地を背負い込んでしまう人も少なくないのです。

こんなときに、弱い立場の人を救ってくれる手がないことはないのです。一般の買主が頭を冷やして考えたところ、契約を解除したいということになったときに、キャンセルできる方法があるのです。これが不動産売買のクーリングオフ制度です。

この制度が活用できるのは、?売主が宅地建物取引業者であり、?売主の事務所以外の場所で契約したケースで、クーリングオフができる事を告げられてから8日以内に書面で解除しなければならないのです。

解除したいと電話で告げても、封書で送ってもノラリクラリと逃げられてしまいますから、内容証明郵便にしなければなりません。クーリングオフは8日以内ですから、1ヶ月たってからの解約はできませんから要注意です。

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CASE No.6
違う土地を見せておけば?(7/24)

不動産会社の広告につられて、坪30万円という東京の郊外の丘陵地にある分譲地を見に出かけた。不動産会社の社員の案内で現地をみると、まだ宅地に造成されていないが、丘の中腹で日当たりもいいし、地形も間口十間、奥行十間の100坪と手ごろなので買うことにして代金を支払ったのです。その後登記も済ませました。

しかし家を建てるだけのカネがなかったので、3年ほどそのままにほおってあったのですが、その土地に知らない人が家を建てていたのです。

驚いて抗議したところ、3年前に坪50万円で譲り受けたもので、間違いなく自分の物だと主張されたのです。そこで登記所などで調べたところ、移転登記を受けた土地は、谷の下のほうにあって、間口4間、奥行25間という帯状のもので、100坪あったのです。

土地を買った不動産会社を探したところ、すでに事務所を閉めて、どこへ行ったのかがわからなくなっていました。

不動産会社の行為は、サギ罪になるのですが、会社そのものがなくなり、担当していた社員や責任者の氏名も不明ということになると、どうしようもないのです。

たとえ氏名がわかったとして、こう主張されたら不動産会社の責任を問うことは困難なことになってしまいます。

「あのときは谷の下のほうの土地を示したはずです。買主の勘違いですよ。中腹の土地が坪30万円なんて、そんな安いはずはありません」

分譲地を買うようなときは、売主が現地で示した場所と、所有権移転登記を受ける登記簿上に表示されている土地とが一致しているかどうかを十分調べておく必要があります。表示された土地の謄本を登記所でとって、公図を調べ、現地と照らし合わせてみる必要があるのです。隣地の所有者にも問い合わせてみることも大切です。

とくに、隣地の所有者とは、今後境界線の争いが起こる可能性もあるので、必ず面会して境界を確かめる事です。その境界線にくいを打ったり、垣を設けるなどをすべきです。

自分が購入したい土地など、付近一帯が同じ不動産会社の所有と言う事であれば、前の所有者や近隣の人についても調べておくことです。いかに有名な不動産会社であっても、大きな私鉄会社の販売であるからといってもいまどきは十分信用できるものではありません。不動産を買うときには、慎重に事をはこぶことです。

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CASE No.5
本登記を信用したんですか?(7/22)

手口・・・「十分の利息を出すからカネを貸してほしい」
     
いまどき月五分で回せる金融商品など考えられないので、カネを貸してやったが、それがいっこうに返済されない。こんなことは世間ではしょっちゅうあることです。

あわててカネを返せと言ったところ、自分の所有している土地の名義を書き替え、そのうち景気が良くなったら買い戻すと言う条件で解決を図ってきたとします。そのとき、委任状と住民票さえあれば登記できるので、権利証は必ず持ってきてあなたに渡すから心配することはないと言われて、登記をまかせることにすると大失敗が起きかねないのです。

登記が終わったのでと、登記済みの権利証を持ってきて、その土地のりっぱな所有者として登記されていることを示されたとして、安心できるでしょうか。

案の定、その後、見も知らない人から訴えが出され、所有権移転の登記を抹消しろという恐れがあるのです。

その土地の登記簿謄本を見もしないで、本登記ができたから安心と思うようではダマされてもしかたのないところです。名義書替え以前に売買の仮登記がしてあっても、名義書替えができるのです。

その後、仮登記を所有権移転の本登記にしたときには、本登記は仮登記のなされた日にさかのぼることになるので、名義書替えが無効になってしまうのです。

登記簿謄本を見ずに、しかも名義書替えをカネを貸した人間に任せてしまったことで、簡単な手口にダマされてしまうことになったのです。登記所に行くのをとめられたのは、仮登記の存在がバレるのを恐れてのことだったのです。

ダマすつもりで計画的に本登記しておいて権利証を渡して安心させ、結局のところ、それが無効になるように仕組んでいたのです。そうやって時間をかせいでドロンを決め込むわけです。

そもそも権利証というものは、たとえばこの土地の権利者は誰であるのかを証明するだけのもので、はたしてその土地に他にどのような権利が設定されているのかはわからないものなのです。その土地の履歴書が登記簿ですから、登記簿を見れば"仮登記"の存在も一目でわかったはずなのです。

権利証を受け取って安心していると、とんだシッペ返しをされることにもなりかねません。自分で登記簿を確認し、しかも自分で登記所に行って、所有権の移転登記をすることです。

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CASE No.4
いまどき土地で儲ける話など?(7/18)

「大阪の物件で、すでに買い手の見通しがあるので、
見せ金さえあればすぐに何倍かになるはずだ。

手を打っておきたいので、至急にスポンサーが欲しい。現金がすぐ用意できなければ、手形でもいいと先方は言っている。手形の場合は、一時的に銀行に担保として預けるだけだ。なんとかならないだろうか。もちろんあなたにも儲けさせる」

不動産にはこの種の話が多いものです。とくに、資格も免許もないのに、不動産業者を自称する人たちが、千に三つもない不動産話に蟻のように群がってくるのです。

夢のような話でも万一本物であればいくらかのおこぼれに預かることができるし、首を突っ込むだけでカネになる場合もなきにしもあらずなのです。

ちょっと名刺交換しただけなのに、また、大手企業の社長の紹介などと言って、ホテルのロビーなどに呼び出されたら要注意。

いわくつきで数年前から何人もの人がだまされた土地や新聞沙汰になったような土地などを平気で持ち回るのです。そんなブローカーは、もちろん不動産売買にも必要な免許も資格も持っていない。

名刺にも、××商事とか××企画、〇〇興業といった会社名があるものの、不動産にからむ仕事をしているようには見えないのです。名刺に、資格や免許を示し、不動産にからむ仕事をしているなどと書くと手が後ろに回るからです。

本来不動産を扱うには宅地建物取引業の免許が必要です。この免許を取得するにはある程度の資産が必要ですし、宅地建物取引主任者の資格も必要です。他の会社で仕事をしている取引主任者の名前を借りてということは今ではできません。

不動産を扱う人の名刺に、××県知事免許(二)第一一一一一号などと記載されていますが( )内に記載された数字が大きいほど長い実績があることを証明するものであることを覚えておくことです。

不動産を扱う者が、不動産を扱う資格を持っていないとしたら、まともな会社や個人は付き合ったり、取引をしないでしょう。またそんな人のところにまともな話がくるはずがない    

そう最初から考えておくべきです。今どき、不動産が儲かると言う話は千に三つもあるわけがありません。

まともな不動産屋でも、儲からなくてあくせくしているのに、資格や免許のないブローカーが儲ける事ができるはずはないのです。甘い話には注意してください。

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CASE No.3
 銀行の抵当権が「1億円」設定されていた事がある?
(7/17)

不動産会社を経営していると紹介された人から、資金繰りが苦しい事を訴えられ、買い戻す事を条件として手持ちの不動産を買って欲しいと言ってきました。

手口・・・
「その近辺での売買価格からすると5000万円ほどの部件だが、そんな金額では買い戻せないので1000万円で買ってください。買い戻すときの値段は1200万円ほどで、2ヶ月すれば買い戻せます」

頼まれた側としては、2ヶ月後買い戻されたとしても200万円の儲け、買戻しに来なければ売ればいい、そう考えたのです。
「不動産登記から見ると別荘地のようだ。しかも権利書、所有者である印鑑証明、会社の登記簿謄本、委任状と揃っている。印鑑証明は取ったばかり、有効期間は3ヶ月、十分ある。不動産登記簿謄本には、いくつかの銀行の抵当権が合計で1億円設定されていたようだが、それがすべて抹消されている。儲かる」
 現地を見ずに800万円までにねぎって現金を渡し、その後登記もせずに3ヶ月が経過しました。不動産を買戻しに来ないので連絡をしたところ、その不動産会社は倒産しており、社長は姿をくらませていたのです。
 そこで慌てて、土地の登記をするつもりで現地に見に行ったところ、想像したような別荘地ではなく、いかにも原野で、価値のない物件だったのです。売りつけた不動産屋は、はじめから価値のないことを承知しており、買い戻すつもりはなかったはずです。そこで2ヶ月後に買い戻すなどと言っていたのです。
 おまけに、銀行の抵当権ですが、その土地の評価だけで金額が決まるわけではないのです。借入れを依頼した会社の信用度で設定金額も変わってくるのです。ですから、抵当権設定額は、会社の信用度の尺度にはなるものの、土地の評価額には必ずしも一致しないのです。
 とはいえ、土地がいかに原野であっても、登記できないことでもありません。費用などを考えて、移転登記をやる事です。
 なお、権利書などの書類を後生大事に持っていても、権利書がなくても登記できることを認識する必要があります。権利書がただの紙きれになる可能性があるという事を頭に入れておくことです。
 ともかく、不動産を購入する場合は、話を持ち込んだ人や広告などを鵜呑みにすることなく、十分な予備調査を行ったうえで決定すべきです。いかに魅力がある話でも簡単に乗るべきではないのです。

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CASE No.2
 土地を担保に提供させる?
(7/3)

言葉巧に近寄って、人のカネや土地を食い物にする人は少なくありません。

手口・・・
「研究資金が足りません。カネを貸してくださいとは言いませんが、あなたのお持ちになっている土地を担保に提供していただき、銀行から融資を受けられるようにして下さい。

担保を提供するだけでは心配でしょうから、あなたには私の会社の役員になっていただき、報酬もきちんと支払いますし、開発によって特許が取れたら、その権利をあなたに渡します。」

こんな誘いにのって、自分の土地を抵当に入れて、そのサギ師を債務者として、仲間の高利の金融会社から融資を受けてしまったとします。

サギ師の会社は、もとより信用などなく、銀行から借入れする事など、もともとできはしないのです。高利であったとしても、借りてしまえば何とかできると言いくるめようとするものです。高利の金融業者で借りるのは一時的であり、すぐ銀行に借り替えるつもりで、銀行に顔の効く人に頼んであるからなどと、不安を感じている担保提供者を納得させてしまいます。

その後、返却期日がきても、もちろん、サギ師は返済しませんし、銀行との借り替えの話などあろうはずもないのです。

そうなれば、当然担保提供者は文句を言う事になります。

そうなっても、サギ師は、こんな事を並べたてるはずです。

「金融機関で融資を受けるとき、この会社が軌道に乗るまで協力を惜しまないと言ってくれたから、役員にして若干の役員報酬も支払っているじゃないか。

また、毎月の資料を提供して、現状を常に説明して協力を求めているはずだ。返済は遅れているが、必ず軌道に乗せる事ができる」


そのうち、仲間の金融業者が土地の競売をやると脅しにかかる。最終的には、土地を取り上げられてしまうか、そのかわりのカネを支払う事になってしまう。その泥沼化の最中に、そのサギ師は新しい協力者を物色するのです。

この種の話は非常に多くあります。手元にある現金を貸してくださいとか、出資してくださいと、依頼すると簡単に承知する人は少ないものです。それが、手元の現金が出ない誘いにはコロリとダマされてしまうものなのです。いくら信用していても、担保を提供すべきではないのです。

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CASE No.1
 他人の土地を売りつけられた?
(7/2)

腹をくくってその気になれば誰にでもできるのが他人の物件(土地など)を売却してしまうということです。つまり、売る権利のない者が、売る権利のある他人になりすましたり、権利のある他人の代理人になりすましたりして、他人の土地などを売り飛ばしてしまう手口です。


この手口にひっかかると、土地の代金を全額支払ったとしても、その土地は買主の者にはならないのです。なぜなら、実際には有効にその土地を買ったわけではないからです。
 

手口・・・他人の土地を勝手に売ってしまう手口は、まず三文判を使って使って土地所有者の住民票を移動させることから始めます。次いで新住民票の移動先で、その土地所有者の印鑑登録をして、新たな印鑑登録証明書を入手します。こうやってつくったニセ印鑑登録の印鑑を使って登記済証を偽造したり、登記簿謄本を偽造するわけです。


また、登記簿の原本に虚偽の記載をしてから、そのまま謄本を作ってしまうという手口を使うこともあります。
 

これらの手口のうち、登記済権利証(登記済証)を偽造する以外は、所有権移転の際にも権利証を使わないで、保証書を使って移転登記をしてしまう事が多いのです。


というのは、登記済権利証を偽造するには手間ヒマがかかるからです。登記名義人には、「権利証を失くしたが、この人が所有者です」という保証書があればなれるからです。

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