PART1 賢いお金の貯め方・増やし方
1.
お金は無尽蔵に得られるものではない(9/18)

「私は貧乏や苦労をした経験がない」という人ほど、ある意味では不幸なことなのです。何から何まで親がかりで、それでも足りなければ、気楽にアルバイトで稼げた学生時代とは違って、社会人となり、結婚し、子供が生まれると、一家の柱として「人に頼るだけ」というわけにはいかなくなります。何事も、自分の力でやらなければならないのです。

それは一人前の大人としては、当たり前のことであり、何も不思議なことではありません。そうなると、お金のことではあまり恵まれていなかった人のほうが「お金の価値」というものを知っているから、生活はもちろん、お金の使い方、お金の貯め方が上手なのです。

そう。お金というものは、しっかり働かなければ得られないこと、買い物や使い途を考えなければ貯まらないことを知っているのです。あなたも、このわかりきった道理を知らなければ、つまずきばかりの人生を送るハメになってしまいます。

いまの日本経済は、バブル崩壊後の底から抜け出し、景気の上昇が長く続いている、と政府が発表しています。しかし、私たちには、そんな実感はどこにもありません。

なにしろ、入社間もない人までがリストラの対象になっている時代なのです。これから先、自分の勤めている会社が、長くあなたの生活やあなたの身分を守ってくれるという保証はどこにもありません。

日本の経済は、壮年期から老年期に入っているのです。これからは、欧米並みの消費税の税率アップも行われるでしょうし、所得に対する年金や税金などの「国民負担」もますます重くなります。その反面で、老後の年金など果たして受け取れるのかさえわかりません。

私たちは、「何とかなるだろう」などと、いまの状態で楽天的に考えている場合ではないのです。

子供が少ししか生まれないことを「少子化」といいます。これが老人の多い人口構造を形成し、将来の自分たちの首を絞めるのです。

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