「貯める」ということで大切なことは、「習慣をつける」ことです。その意味でいえば、自分の財布に五〇〇円硬貨が入るたびに、貯金箱でも缶でも結構ですから、その五〇〇円を貯めるようにすることです。
このような貯め方は、楽しみながら、それほど負担を感じることなしにできます。この貯め方で「貯める習慣」がついていけば、次の本格的な「貯蓄」へとステップアップできます。
ところが、せっかく貯めたのに、「ちょっと足りないから拝借しよう」「ついつい使ってしまった」「我慢できずに缶を開けてしまった」というのでは、残念ながら、もっとレベルの高い単位でお金を貯めていくのは不可能です。いつまでたっても「お金を貯めるクセ」はつきません。
なぜ五〇〇円に挑戦するかといえば、「お金を使いたい」という誘惑に、いかに勝てるかを試せるからです。問題はどれだけ貯めるかではなく、五〇〇円というわずかなお金でも、それを貯め続け、ある目標に到達することにあるのです。つまり、貯めた金額ではなく、どれだけ継続したかが問題なのです。
これができる人は、意志の強い人です。簡単に妥協せずに、一度決めたことは最後までやり抜ける人です。
五〇〇円貯金は、よく困っている国への「義援金」などをつくるために、子供たちもやっています。子供ができることを、大人のあなたができないというのでは、情けないじゃないですか。
とくに、借金やカードでの買い物が多い人は、このような簡単な貯金で、自分の金銭感覚を修正することです。五〇〇円が大変なら一〇〇円でも、五〇円でもいいのです。大切なことは、途中で止めても、何のペナルティーもないところでやり抜くという孤独な作業に、いかに耐え抜くかという精神面の強さをつくることなのです。
何事も自分がすべてなのです。自分に勝てない人は、何をやっても勝つことはできません。