PART1 賢いお金の貯め方・増やし方
7.
お金を貯める目的を明確にする(10/8)

「お金は使うためにある」と、西洋の哲人はいっています。
 確かに、お金は貯めるだけでは意味がありませんし、寂しいことです。マイホームをもつため、車を買い替えるため、老後を楽しく安心して過ごすためというように、何かのために貯めるものです。

「遺産をつくるために、お金を貯める」などという人は一人もいないはずです。自分の人生の生きざまの中でお金を貯めた人が、結果的に子孫に財産を残すのです。ですから、最初は、旅行のため、車を買うためなど、その目的は何でもいいのです。

大切なことは、他人に頼るのではなく、自分自身の努力で何かの目的を達成することです。それは、人生において素晴らしい行為となります。その先には、独立して事業を起こしたり、マイホームを建てたり、海外に移住したり、いろいろなステップアップの人生が待っています。このように、お金を貯めるときには、「楽しい何か」を設定し、そのために頑張るというのが、イチバン成功率が高いのです。

「そんなことよりも、ローンを返すことが先決だ」という人がいるかもしれません。それは、当たり前のことです。借りたものは必ず返さなければならないのです。それと貯めることとは別問題です。

いずれにしても、ものを買うためや旅行をするためというような、消えてなくなる消費の場合は、自分の努力でお金を先に貯め、貯めた後で楽しむべきです。せっかく楽しい旅行をしてきても、後でローンの支払いに追われるようでは何にもなりません。

「先憂後楽」です。先に苦労して、そのご褒美で楽しむ―これが、お金の正しい使い方であり、間違いのない金銭感覚です。

簡単にお金を借りて、欲しいものを手に入れるという考え方では、自分の人生にこれといった価値あるものをつくることができません。お金を貯めることは、自分の欲望との戦いです。ところが、この欲望というものは無限ですからタチが悪いのです。欲望に流されたら、もう収拾がつかなくなります。それだけに、苦労や誘惑に耐え抜いて、目標を達成するまで頑張ることは大変なことなのです。

目的を明確にすれば、それを目指して頑張るという、気力や意欲が出てきます。そして、達成したら、たっぷりご褒美をあげることです。

戻る