PART3 外国の金融商品で儲けるコツ
5.
どんなときに円高・円安になるか(12/19)

注意:これからのコラムは数年前の話が含まれています。よって文中にある金利、利息、などの数字、会社名などの固有名詞は現在のものとは異なる部分が出てきます。考え方を教えるものですから、参考までにお読み下さい。

(現在のものとは異なる部分が出てきます。参考までにお読み下さい)

外貨預金や外国の通貨に注目する場合、円高円安に対する基礎知識をもたなければなりません。その国の通貨が、世界の基軸通貨であるドルに対して高いか安いかは、理論的には経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)によって決まるといわれています。もう少しやさしくいうと、日本の景気がよいか悪いか、アメリカと比べてどうなるのかが一つの要因になります。アメリカの景気より日本の景気が悪いと、当然、日本の円を買うことに対する不安がつのり、国際的な資金はアメリカのドルに集まります。その結果、円は安くなりドルは高くなります。

ところが、アメリカの失業率が高まり、景気が沈滞し、いままで高かった株価が急に下落すると、ドルから他の通貨にお金が逃げます。そのときに、日本の景気が良く、金利が上がってくると円高になります。この動きは、時に投機的になり、きわめて急激になっていくのです。日本は一時、一ドル七〇円という円高を記録しました。それは、経済的な条件というより、投機筋の動きが強かったといってもいいでしょう。ただアメリカには、慢性的な貿易赤字と財政赤字があります。したがって、いつドル安円高になってもおかしくない状況にあることも事実です。

最近のドルが強く円が弱い状態は、日本の財政赤字によります。その上、銀行が多額の不良債権をかかえ、企業もリストラで元気がありません。土地・賃金・製品コストの安い東南アジアの国々に比べ、輸出競争力の点で劣っています。こうした経済の競争力の弱さが円安を導くのです。そうはいっても、日本人は勤勉であり、高度な技術力があるので、今後も円高になる機会はたびたび出てくるはずです。

東南アジアでは、急成長による賃金上昇・物価上昇、そしてインフレという急激な変化に戸惑いを見せはじめています。発展途上国が先進国の仲間入りをするときの一つの痛みです。日本はその痛みをすでに経験し、安定成長期にあります。これからさらに付加価値の高い技術の開発や仕事をすることで、諸外国に対する競争力を増すことは可能です。何よりもいいのは、日本の地価やビルのテナント料が下がってきたことです。そのため、土地やビルの入居の需要が高まり、土地活用が活発になりそうです。

円高円安は、ファンダメンタルズによって引き起こされるもの。日本経済がちょっと元気づけば、必ず円高傾向になります。

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