PART3 外国の金融商品で儲けるコツ
6.
円安が進むというのはどういうことか(12/20)

注意:これからのコラムは数年前の話が含まれています。よって文中にある金利、利息、などの数字、会社名などの固有名詞は現在のものとは異なる部分が出てきます。考え方を教えるものですから、参考までにお読み下さい。

(現在のものとは異なる部分が出てきます。参考までにお読み下さい)

円安が進むということは、海外の人たちから見て、日本の経済に不安を感じているときです。まさにそれは、いまの日本の状況をいいます。一時は一ドル七〇円、八〇円という円高が、一転して一〇〇円を超え、一一〇円、一二〇円と円安状況になったのには、さまざまな要因があります。

一つには、日本がバブル崩壊から急激に景気が後退したことが上げられます。そのために地価が下落し、株価が下落し、銀行を始め多くの機関投資家が不良債権をかかえ、一般企業も株で大損したり、土地を買ったものの地価税で苦しんでいます。そして、競争力を回復するために、高賃金を抑えるために、人員の整理、すなわち希望退職などのリストラを行っています。これは勤労者の賃金の頭を抑えるどころか、失業者を生み出すことになってしまいました。一方で住宅ブームなどがあり、多くのサラリーマン家庭は住宅ローンをかかえ、可処分所得が減ってきたため、物がなかなか売れないということで、景気はあまりパッとしないのです。

もう一つは、日本は赤字国債を大量に発行している借金財政ですから、これを解決するために、消費税を上げたり、公共投資を少なくしたりと、景気の頭を抑えるような政策をとらざるを得ません。その結果、金利は長い間低く抑えられているのです。

そうなると、日本に投資している外国の通貨も、もっと金利の高いところ、もっと景気のいいところへと逃げていきます。日本人自身も、利子の高い外貨預金へ目が向きますから、日本の通貨は海外にどんどん出ていってしまいます。その結果、円とドル、円とポンドの為替相場は、どうしても円が弱くなり、諸外国の通貨が強くなるのです。つまり、国内の景気状況が悪くなればなるほど、円は弱くなります。

外貨預金の上では、外貨に替えた後で円が弱くなれば、そこで円に替えることにより外貨に替えたときよりも、多くの円を手にすることができます。これを為替差益といいます。円安がどんどん進行するときには、外貨預金の利息だけでなく、為替差益も手にすることができるのです。しかし、円安になれば円の価値が下がりますから、輸入品が値上がりするわけですから、マイナス面もあります。

円安傾向のときには外貨預金をして、さらに円安になったときに円を買い戻すことで、為替差益と外貨預金の利息が入り、二重に有利な投資が可能!

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