PART4 株式投資で賢く儲けるコツ
7.
信用取引はリスクが大きく、素人向きではない(1/11)

注意:これからのコラムは数年前の話が含まれています。よって文中にある利回り、日付、数字、会社名などの固有名詞は現在のものとは異なる部分が出てきます。 考え方を教えるものですから、参考までにお読み下さい。

(現在のものとは異なる部分が出てきます。参考までにお読み下さい)

株の取引には、信用取引と現物取引とがあります。現物取引というのは、株を買った代金を全部自分の現金で支払うことをいいます。信用取引は、その株を買った値段の三割くらいを現金で支払い、後は証券会社から借りて売買するものです。もちろん、一〇〇万円や二〇〇万円程度の取引をしている人は、信用取引はできません。できるのは、少なくとも一千万円単位でやるような人です。しかし、中小証券では、たとえ三〇〇万円くらいの取引でも、信用取引をしてみませんかといってきます。
 信用取引の特徴は、三分の一のお金で、現物取引と同じように、株の利益がとれるということです。つまり、儲かるときは大きいが、損をしたら金利と損の両方をかぶることになり、損失額も大きくなります。ですから、現物取引に比べて信用取引は、儲けも大きいが損も大きいという、きわめてリスクの高いものなのです。

このような制度ができたのは、日本の証券市場を活性化し、多くの取引ができるようにということで、大蔵省などが考えたことです。投資家の利益を確保するためにとか、投資家を儲けさせるために考えられたことではありません。早くいえば、証券会社が儲けるためのもので、信用取引で儲かったという人の話はあまり聞きません。

現物取引は買ってそれを売るだけですが、信用取引は、下がってきたところで売ることもできます。それは、証券会社から株を借りて売るのです。そして、売ったときよりもさらに下がったら、今度は買い戻しをして、その差益をとることができます。信用取引はこうしたいろいろな投資ができるため、株をやる人にとっては魅力的なのです。

しかし、現物取引で自分の現金で買った株は、いつまで持っていてもかまわないが、信用取引には決済の期日があります。つまり、六カ月後には売ったものは買い、買ったものは売るという期限がついています。ですから、その期限の中で儲からなければ損をしたまま決済しなければなりません。しかも利息を払って決済するのです。

信用取引の場合には、買って一、二カ月で儲けを出して、売却するか買い戻さなければ、後は失敗になってしまいます。もしあなたが、株で五〇〇万円、一千万円の取引をするようになって、信用取引をすすめられたら、絶対に断るべきです。

信用取引は損をすることはあっても、儲かる確率はきわめて低いもの。地道に現金取引だけにし、長いスパンで考えるのがベストです。

 

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