PART8 借金するなら上手にする
1. 貯めて買うか、借りて買うか(8/9)

 私たちは、金額の高い耐久消費財を買い求めることが結構あります。たとえば、車、テレビ、洗濯機、家具などで、それを買う場合に、あらかじめ預金をしておいたお金で買うか、ローンで買い後で支払をするか、という問題があります。
 生活の中で、あまり負担を重くしていかないという点から、自分が現在持っている資金の中からお金を支出し、支払能力の範囲内で物を買う生活感覚が求められます。
 ローンで買える、クレジットで買えるとなると、次から次へと何でも欲しい物を買ってしまうということになりがちです。その結果、毎月もらう給料のほとんどが、ローンの支払いに回ってしまい、わずかな生活費しか残らない、ということになります。これがエスカレートすれば、借金地獄に陥ります。それを避けるためにも、できるだけ物は現金で買うというのが、正しい生活態度といえるでしょう。
 物を買うということは、本来、自分にお金がある、現金を持っていることが前提で行われる消費行動です。ところが最近は、カードがたくさんあるために「あなたの楽しみをカードで実現しましょう」という言葉につられて、ついついカードを使ってしまいがちです。そのお金はどこで返すか、どこで穴埋めするかとなったときに、収入に対して借金が多ければ困ることになるでしょう。
 そんな人はあまり多くないと思うでしょうが、実はたくさんいるのです。金銭感覚がいつでもお金がもらえた、という人にこの傾向が見られます。なぜなら、お金に対するセーブができないのです。貧しくお金に対してシビアに育ったならば、お金がなければ使いません。また貯金し、堅実に暮らしています。
 ところが、何の苦労もなく、思いのままお金を使ってきた人は、急に変わることは難しいのです。とくに小さな頃からそうだと、「三つ子の魂百までも」といわれるように、なかなか直りませんから要注意です。


お金は扱い方ひとつで地獄に落ちることもあります。その前に目を覚まし、意識的に堅実なお金の使い方を心がけていきましょう。

 

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