其の四 トラブル解決２ オレは貸せんけど金貸し紹介したろか？
債務を負っとる相手に対して、
自分や仲間と気脈の通じた金融業者とか金貸しとかを紹介して、
自分への債務を支払うための資金を借り直させる手を使う
ていう悪質な債権者がおらんこともない。
倒産騒ぎの際中に、自分だけ抜けがけして債権を回収してしまおうていう手口や。
そないなことしても、
最後にカネを用立た金貸しが回収しそこねるから何にもならん
・・・と思うやろけど、必ずしもそうとばかりも言えんのや。
債務者本人はカネがないと思ってても、
物的な潜在能力を他に持ってたり、
人的な潜在能力を持ってたりする場合は、
この手口を使こて最後の一滴まで絞り取ってしまうんや。
ほな、なんでそんな厄介なことをするんやろか？
答えは、債務金額を水増しするためや。
要するに、実際はグルになっとる債権者の間で債権をタライ回し
にすることで元金があっちゅう間に膨れ上がって、
最後の債権者には元金を返すだけやから高金利の主張ができへん
ていう形をつくってしまうんや。
こないして債務が水増しされて、頃合いと見たら潜在的能力にくらいつくんや。
水増しされた金額は、利息を全部まけても元金の何倍かになるようにして、
元金だけの請求をしたら何も法的に問題あらへんのや。
元金を半分にしてもまだ儲かるんや。
そないなったら無理算段してもカネを集めて半額になった元金を支払ろうて
ヤレヤレ！てな感じでホッとするもんや。
それが元々の金額やったとしても債権を全部回収したことになるから、
他の債権者に比べるまでもなく上手くやったっていうことになる。
って書いたら、
いかにも素人にもできそうな感じがするし、マネしたくなるやろ？
けど、そう簡単にできることでもないんや。
金のない債務者から元金以上を絞り取ろうとするわけやから、
その交渉の段階でめっちゃ凄い圧力をかけんとあかんのや。
ヘタしたら暴力に結びついて刑事罰が科せられるってこともありえるしな。
もし脅迫罪になったら、刑務所入りまで考えらなあかん。
普通の素人にできることやあらへん。
悪質な玄人のやる手口なんや。