ナニワ金融物語
任意整理

任意整理は示談交渉の一種で、大ざっぱに言うたら弁護士に借金を値切ってもらう事。時には減額どころか、払いすぎた金が戻るケースさえ珍しない。手続きの流れに沿い、整理の実態を追ってみまひょ。

 

◆減額可能のワケ(7/1)

◆払いすぎた利息で元金を減らす

自己破産が返済不能の債務者向けやったら、

任意整理は返済困難な人が採らなあかん整理法や。

目安としては、負債額が200万円未満やったり、

手放しとうない不動産や動産を所有してる債務者に

有効な手段といえまひょ。

借金が減るんは「利息制限法」ちゅう法律のおかげで、

貸金業者については民法上、

貸し出し金額に応じた法定利率

次のように規定してるんや。



● 10万円未満の場合は年利20%

● 10万円以上100万円未満の場合は年利18%

● 100万円以上の場合は年利15%



基本的に、これを超える利息はチャラ。

要は、サラ金やクレジット会社やらなんやらは

明らかに法外な利息を取っとるため、

払いすぎた利息分を借金から減らしてらうことが可能なんや。

(遅延損害金の約定は法定利率の1.46倍までが有効で、

超過分はチャラ)。

では、金融業者が法律を犯してるんかというたら、

そうとちゃうんや。

貸金業登録業者にはみなし弁済と呼ばれる規定があり、

制限法違反の金利でも借金した者が

自ら進んで払うたら有効弁済とみなされるのや。

ならば示談に応じへん業者がでそうなもんやけど、

実は利息制限法は「強行法」の一種で、

なんぼ債権者との間で高金利を約束したかて、

債務者が一方できに約束を破ることが

できるちゅうわけや。

金融業者にとっては、ヘタに突っぱねて

自己破産されるより、

交渉に応じるほうが得策なんや。

◆開示請求

◆弁護士をせっつきスピードアップ

任意整理の場合も自己破産同様

弁護士が介入通知を業者に発送した途端、

いっさいの督促や取立てが止まるちゅうわけや。

債務者が用意すべき書類は、

各金融業者との契約書、領収書、

督促状やらなんやら債務に関するいっさいや。

いっぺんに業者からも残高証明書と取

引経過を提出してもらわなならへん。

これを開示請求とぬかすが、

中にはなかいなか応じへん業者も少なない。

どないかして時間を引き延ばし交渉を

決裂させようゆう作戦なんや。

が、ここは我慢のしどころや。

元帳の開示は貸金業規制法

義務付けられとるから、

弁護士をせっついて内容証明を出すなりしたかてらい

時間の短縮を図りまひょ。

 

◆和解案作成・将来利息

◆何処まで減るかは弁護士次第

さて、書類が揃ったら和解案の作成や。

利息制限法を元に債務を計算しなおし、

それに見合った返済計画を立てんねん。

その際、債務額とともに考えのうてはならへんのが

将来利息なんや。

残った債務を一括返済できるんやったら問題ないが、

分割の場合、利息が生じてはタダでさえ

苦しい支払計画に支障が出かねへん。

ほんで弁護士は、金融業者に『債務の減額』だけでなく

『将来利息のカット』を持ちかけるちゅうわけや。

当然、向こうも素直に聞くほど甘くはあらへん。

が、ここは自分が選んだ弁護士の腕を信用し

て任せなあかんのや。

ときには400万円かりてピッタリ元金だけしか

支払わんと済む借り得の結果にも

なり得るちゅうわけや。

 

◆過払い

◆長期返済は払いすぎの危険!?

返済が長引いてるケースでは、

過払い分が戻ってくる事もあるんや。

例えば、10年前に300万円借りたある人物の場合、

年利30%の利子を支払い続け、

その額が500万円を上回っていたんや。

これは明らかな払いすぎである。

整理を引き受けた弁護士が

「不当得返済請求訴訟を提訴する」

と内容証明を送付。

負け訴訟を回避した業者が150万円を

返納
してきたそうや。

 

◆特定調停

◆とにかく安く上げたい人向け

 

任意整理で話がこじれたり、

弁護士に頼まず整理したい場合は

裁判所に間に入ってもらう特定調停ちゅう方法もあるんや。

手続きは必要書類を揃え、

簡易裁判所に提出するだけ。

一般的に申立から

調停成立まで3ヶ月ほど掛かるが、

費用は収入印紙代のみと、

経済的には安く上るちゅうわけや。

 

● 30万円以下の場合は5万円ごとに300円

● 100万までやったら同じく5万円ごとに250円

● 100万を超えると10万ごとに400円

 

調停は非公開で最低2回開かれ、

朝廷委員会のメンバー(裁判官1名と民間人2名)主導で

話し合いが持たれるわけや。

債務者と債権者を個別に事情聴取

最終的に両者を交え和解調書を作成して終了や。

貸主が出頭せず和解が成立せんケースも少なないが、

裁判官の裁量決定が許され、

だいたい総額の5〜7割はカットされるらしおます。

 

◆個人民事再生

◆住宅ローン救済の最新兵器

新しい債務整理の方法として昨年から

施行されているのが個人債務者民事再生や。

中でも注目は住宅資金貸付債権の特則で、

住宅ローンの返済に困っている人向けの

最終兵器とも言われているんや。

いままでなら手放さなければならなかったマイホームを、

そのまま維持できるのが最大のメリットで、

ローンを組んだ時期と現状の地価を考慮、

新たな返済計画を立て直して

債務者の再生を行うのが目的である。

安定した収入が見込めることなど

厳しい条件が付くが、

住宅ローンで苦しむ債務者は

トライする価値は十分
だ。


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