調査実録

[case3] 逃走しようとする投石犯を格闘の末に確保!

広島県広島市に住む50歳前後の主婦、栄子さん。
一家は5人暮らしで,町工場の経営者のご主人とご主人の両親,子供2人と同居している。
社長夫人である栄子さんは、身なりもキチンとしていて、年よりも若く見えるタイプのご婦人である。

依頼内容

「相談したいことがあるので、来て欲しいんですけど・・・・・」
栄子さんから疲れ切った声で電話があったのは、秋も深まった頃。

「どうしたのですか?」と聞いてみると、「1ヵ月ほど前から、自宅にたびたび石が投げ込まれて、困っているんです」と言う。

「話は現場を見ていただいて」という栄子さんの依頼を受け、翌日、栄子さんのご主人が経営する町工場と同じ敷地内にある自宅に行ってみると、壁はキズだらけで、瓦も割れている。玄関もドアのガラスが何ヵ所か割れていて、ベニヤ板を張ってあるという、ひどい状況だ。

話を聞くと、栄子さんは「2カ月ほど前から、男がバイクでやってきては、石を投げて走り去っていくんです」と言いながら、段ボール2箱分の石を見せてくれた。すでに被害は数百万円に達しているという。

「警察には相談されたんですか?」と尋ねると、「巡回はしてくれますが、張り込みまではしてくれないんです」との答え。

さらに、栄子さんは「これまでケガ人が出ていないのが不思議なくらいです。小さな子供たちもいることですし、何とか投石犯をつかまえて欲しいんです」と語った。

調査報告

犯人がバイクで現れるということは、追跡用の車輌が必要である。そこで、栄子さんの自宅前の路上に車を停めて、張り込みを行なうことにした。

張り込み開始から4日後、あたりが薄暗くなりはじめた夕方の5時過ぎになって、栄子さんの自宅前の道を妙にゆっくりと走ってくる原付バイクが1台、前方から現れた。

運転している男は、身のこなしから見て中年男性のようで、フルフェイスのヘルメットをかぶり、手には軍手をはめ、雨が降っているわけでもないのに、紺色のレインウェアを着ている。

犯人ではないかと、張り込み車内の緊張感が高まったが、バイクは何事もなく、ゆっくりと自宅前を通り過ぎていった。ナンバーを確認しようとすると、ナンバープレートが意図的に折り曲げられている。明らかに怪しい。

そして、その5,6分後。張り込み車のバックミラーに、ひとつの影が現れた。

先刻、通り過ぎたバイクが折り返してきたのである。さっきは下見だったのか、今度は右手に石を持っている。それが確認できた瞬間、男は栄子さんの自宅に向けて石を投げた。

石は大きな音を立てて壁にぶつかり、跳ね返ってきた石が張り込み車の横に落ちた。
と、同時に、男がバイクのアクセルを開く。

こちらもすぐに発進。バイクの行く手を阻むため、道をふさぐ形に車を持っていくと、避けようとしたバイクはバランスを失い、車の前バンバーに軽く衝突して横転した。

驚いた男は起き上がり、走って逃げ出そうとしたが、一瞬早く、車外に出て飛びかかる。男が振り払おうとして暴れたため、格闘になったが、待機していた別の調査員も駆けつけて、無事に取り押さえることに成功した。

騒ぎを聞いて現場に駆けつけてきた人々の中から、栄子さんの叫び声が上がった。

「義夫!どうして、あんたが!?」
投石犯は、栄子さんの実弟だったのである。

事情を聞くと、もともと義夫は栄子さんの夫が経営する工場で働いていたらしい。怠慢でサボリがちだった義夫に対して、身内ということもあって、社長もガマンしていたが、いっこうに改まらないため、3年前にクビにした。その時、過分な退職金を出してもらっているにもかかわらず、義夫はクビにされたことを逆恨みして、犯行に及んだようだ。

我々に何度も頭を下げ、礼を言う栄子さんの、これでもう投石されることはないという安堵と、犯人が身内の者であったという戸惑いの入り交じった表情が印象的であった。

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