調査実録

[case5] シャツから香水の匂いがする!?

和服を着た、古風でおとなしい印象の主婦、静子さん。
小柄で華奢な40代後半の女性で、夫と大学生の子供とともに東京都内で暮らしている。

依頼内容

静子さんから夫、浅男氏の浮気調査に関して依頼があった。

浅男氏は50歳代の教師。教育熱心で評判になるほど真面目な人物で、結婚して20年になるが、浮気などしたことがないという。

「では、どうして、浮気していると思われるんですか?」と尋ねたところ、「様子がおかしいんです」との答えが返ってきた。

詳しく話を聞いてみると、浅男氏には結婚以来、変わらない習慣があったという。それは、浅男氏が帰宅した時にはいつも、上着を脱ぐと、必ずお茶を一杯飲んでから着替えるというものらしい。それが、一カ月ほど前から、まっすぐに風呂場に向かい、「メシの準備をしといてくれ」と言って、そのまま風呂に入るようになったそうである。

さらに、ある日、洗濯をしようと浅男氏の服を手に取ってみると、服から化粧品か香水のものと思われる匂いがしたという。

調査報告

学校帰りの浅男氏を尾行してみると、まっすぐに帰宅。翌日は、行きつけらしきスナックに立ち寄り、1,2時間飲んだ後、自宅に帰った。

調査を開始してから1週間経っても、浅男氏の行動はずっとこのパターンを繰り返すだけで、浮気をしている様子など全くない。

そのことを静子さんに報告すると、思いがけない答えが返ってきた。昨日着ていた服から、香水の匂いがしていたと言うのである。「昨日、女と会っていたのは間違いないです。ちゃんと調べてくれているんですか?」 静子さんの言葉にせき立てられるように、再調査を開始してはみたものの、浅男氏はやはり、行きつけのスナックに立ち寄り、1,2時間飲んだ後、まっすぐに帰宅するばかり。

そうなると、香水の匂いがつく可能性のある場所は、行きつけのスナックしかない。 数日後、問題のスナックに浅男氏が入ったので、こちらも入ろうと、少し間をおいてからスナックのドアを開けた瞬間、店内の雰囲気がどことなく異様であることに気づいた。 ボックスにいる客は、全て男だけのグループで、店内に女の子は一人しかいない。さらに、カウンターに座ってみると、バーテンの言葉がいわゆる“オネエ言葉”なのだ。 やがて、後ろのボックスに座っていた客のうち、二人が席を立ち、『トイレ』の表示があるスイングドアの向こうに入っていった。

しかし、20分経っても、誰も出てこない。  さらに、カウンターの離れた席で飲んでいた浅男氏もスイングドアの向こうに入っていったが、こちらも、10分経っても出てこない。 どうしたのかと、いぶかしがりながら、トイレに行くふりをしてスイングドアを抜けると、細長い廊下があって、突き当たりにトイレがあり、右手の壁に『会員制』と書かれたドアがある。そのままトイレに行ってみると、先にトイレに行ったはずの2人と浅男氏の姿はなく、建物からの出口もない。 

となると、3人が行った場所は、廊下にある『会員制』と書かれたドアの中しかない。 いざとなれば、「あれ、ここ、トイレじゃないの?」とでも言ってトボければいいと考え、思い切ってドアを開けてみると、中は20畳くらいの長方形の部屋。中央にビールやつまみを置いたテーブルがあって、壁際にはイスが並び、そのイスには、手にグラスを持って、派手なドレスを着た女性たちが14,5人ほど座っている。しかし、よく見るとこの女性達、異様に化粧が濃い上に、アゴのあたりが青々としていて、体格もすこぶるいいのである。

戸惑っていると、タイミングがいいのか、悪いのか、後ろから新しい客が入ってきて、左手にある小部屋のドアを開けた。どうやら、ここで服を着替えて化粧をするらしい。 覚悟を決めて、後ろから入ってきた男についていき、その男にそれとなく段取りを聞きながら、ドレスに着替えて、化粧をした。

小部屋を出て、室内を見回すと、部屋の向こう側に浅男氏と思わしき女性(?)がいる。 そこで、中央のテーブルに置いてあったビールを持って何気なく近づき、浅男氏の隣に座ってグラスに注ぎながら、周囲と調子を合わせるように“オネエ言葉”で話しかけてみた。

「あなた、いつから来てんの?」
「え〜?1ヵ月前くらいよ」
「誰かの紹介?」
「まあねー」

話を合わせながら聞いてみると、浅男氏は知人の紹介で、この会員制女装クラブを知り、それ以来、気分転換のつもりで、時々、ここに来て女装を楽しんでいるという。さらに、浅男氏が言うには、「ストレスを解消するには女装が最高で、面倒くさい女相手の浮気なんかよりもよっぽど楽しい」とのこと。

話が弾んだところで、カメラを取り出し、「私のキレイな写真、撮ってくれない?」と言うと、浅男氏は快く引き受けてくれた。 ポーズを変えて何枚か撮った後、「今度はあなたを撮ってあげる」と言うと、浅男氏は少し迷った様子。「いいじゃない、記念に。今度来る時に渡してあげるから」と持ちかけると、喜んで写真を撮らせてくれた。

翌日、静子さんに浅男氏の写真を見せ、結果を報告すると、「これ、本当に、あの人なんですか.....?」と絶句し、しばらく写真を見つめていたが、やがて、恥ずかしさと、情けなさと、憤りの全てが混ざったような表情を浮かべて、その場で泣き崩れてしまった。

浅男氏にしてみれば、“ストレスも解消できる最高の趣味”ということかもしれないが、こちらとしては、これまでに体験したことがない、ミョーな気分の調査であった。

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