調査実録

[case2] ホームレスに変装して潜入捜査を敢行!

依頼者は、新潟県新潟市の主婦 奈穂子さん。
長い髪を後ろで束ねた、ちょっと上品な感じの30代後半の女性だが、地味なセーターを着ているせいか、やつれている様子に見える。

依頼内容

奈穂子さんからの依頼内容は、行方不明になったご主人の行方を捜して欲しいというものであった。
奈穂子さんのご主人 文雄氏は、大手銀行の新潟市支店に勤めていて、40代後半の若さで管理職にまで出世した、エリート銀行員。

奈穂子さんの話によると、結婚して10年以上になるそうだが、これまでに1度の浮気もなく、飲酒や喫煙も控えめで、「真面目すぎる」と言われるほど堅い人物らしい。

そんな文雄氏が「出張に行く」と言って東京へ出たきり帰ってこない。警察に捜索願を出してはいるが、3ヶ月あまりが経過しても見つからないので調査してみて欲しいという話であった。

調査報告

まず、奈穂子さんの許可を得て、文雄氏の書斎を捜索。アドレスやメモ帳から交友関係を特定し、聞き込みを開始してみると、奈穂子さんの言葉通り、文雄氏は職場でも真面目で通っていて、特に不正を行なっていた形跡もなければ、トラブルを抱えていた様子もない。
出張当日の文雄氏の足取りについて、詳しく追ってみると、いくつかの事実が判明した。

● 文雄氏は、出張先の商談には顔を出している。
  その際、トラブルや不審な様子はなかった。
● 東京近郊の知人に連絡は入っていない。
● 宿泊予定となっていたホテルには、連絡も入っていなければ、顔も出していない。

つまり、文雄氏は東京での商談を行なった後、そのまま、失踪してしまったことになる。
出張の際によく通っていたという情報が上がった新橋の小料理屋に当ってみると、その日の商談後、文雄氏が1人で来店し、仕事に対するグチをこぼしながら、普段より多量の飲酒をして、そうとう酩酊していたという話を聞くことができた。
周辺の交番に確認してみると、その日の深夜、新橋にのガード下で居眠りをしていた文雄氏が、交番に保護されていたことが判明。 

しかし、午前3時頃に目を覚ました文雄氏は、自らの醜態をわびて、出ていったという。
保護した警察の話では、目覚めた文雄氏は理路整然としており、態度に不審な点もなかったため、そのまま帰してしまったらしい。

ここで、手がかりが途切れてしまったが、新橋の小料理屋でグチをこぼしていたことや、今までになかったほど酩酊していたことから、文雄氏が社会放棄した可能性もあるとニラんで、捜索対象をホームレスまで拡大。池袋、新宿で聞き込みを開始した。
とはいえ、雲をつかむような話である。聞き込み開始から2ヶ月が経過したが、これといった情報は入ってこない。

あきらめかけていた時、横浜から流れてきたというホームレスから、「文雄氏らしき人物が、横浜の公園で暮らしているのを見かけた」という情報を入手することができた。
わずかな可能性ではあるが、手がかりはこれしかない。また、ここまでの聞き込みから、ホームレスの人々は、普通に出かけていってもなかなか話を聞けないということがわかっていたので、ホームレスに偽装して潜入捜査を行なうことにした。もちろん、かなりの長期調査になるということは覚悟の上である。

潜入から1週間経ち、梅雨の季節となった。雨の日が多くなり、ホームレスの人々は雨露をしのげる場所に集まるようになった。 そんな中に、文雄氏らしき人物を発見した。髪やヒゲが伸び、やせてはいるが、目元の感じや雰囲気が文雄氏に酷似している。

しかし、失踪当時の文雄氏は肉付きがよかったということもあり、確信が持てない。
そこで、奈穂子さんから声をかけられた男は、戸惑いと動揺を隠しきれず、最後には自分が文雄氏本人であることを認めた。

3ヶ月にわたる調査は成功したが、文雄氏は元の生活に戻ることを拒み、奈穂子さんに背を向けると再び街の雑踏へと消えていった。

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