調査実録

[case5] 行方不明の夫に子供が死んだことを伝えたい

依頼者は、北海道札幌市で飲食店を経営している、
40代半ばの女性、慶子さん。 髪はゆるいパーマのかかったセミロングで、スッキリと整った顔立ち。 体格は小柄で、服装はスカートにサマーセーターと地味め。
古風で、しっかりした女性という印象を受ける。

依頼内容

ことは7年前にまでさかのぼる。その年、薬品関係の会社に勤めていた慶子さんのご主人敦夫氏(50歳)は福岡に転勤が決まり、札幌市に家族を残して単身赴任することとなった。

ところが、1年後突然、慶子さんの元に、敦夫氏から離婚届が送られてきた。驚いた慶子さんは連絡を取ろうとしたが、電話が通じなくなっている。それ以降、敦夫氏の方から時々、音信があったが、それも年を追うごとに少なくなっていった。

捜しに行こうにも、なにぶん遠距離である。警察に届けて返事を待っていたが、そのまま数年の月日が経過した。

ところが、小学校に通っていた慶子さんの子供が、病死してしまった。
父である敦夫氏に、そのことだけでも知らせたいと、慶子さんは単身、福岡を訪ねてみたが、敦夫氏が勤めていた会社自体がなくなっていて、すでに違う人が住んでいた。

勝手が分からない福岡で途方に暮れた慶子さんは、どうしていいかわからなくなり、その足で、事務所に駆け込んできたという。

調査報告

調べてみると、敦夫氏が勤めていた会社は、'99年に倒産していた。敦夫氏から離婚届が送られてきた頃である。会社の倒産自体も突然だったらしく、どうやら、敦夫氏の失踪は、いきなり無職になってしまった事で、家族に会わせる顔がないと思い悩んだ末の行動だったようだ。

当時の同僚に聞き込みをしても、会社倒産後の敦夫氏の動向は何ひとつ浮かび上がってこない。しかし、敦夫氏が行きつけだったという福岡県久留米市の繁華街を一軒一軒回ってみると、とあるスナックで「敦夫氏から時々、連絡をもらう」という人物、松村氏に出くわした。「敦夫氏に会ったら渡して欲しい」と、松村氏に携帯電話の番号を預けておいたところ、数日後、携帯電話に敦夫氏本人から「僕を探してる人がいるっていう話を、松村氏から聞いたんだけど・・・・」という連絡が入り、2日後に福岡市内のスナックで会う約束を取り付けた。

敦夫氏との面会の席では、「慶子さんに連絡を取って欲しい」ことだけを伝えた。子供のことは他人からではなく、慶子さん自身から伝えさせてあげたいと考えたからである。

しかし、敦夫氏は「今は薬の卸の仕事をしていて、出張で九州全域を飛び回っているので、こちらから折を見て連絡する」と答え、現在の連絡先については教えてくれなかった。

そこで、面会後の敦夫氏を尾行してみると、羽振りの良さそうな言葉とは裏腹に、敦夫氏が入っていったのは日雇い労働者用の木賃宿。

後日、北海道から駆けつけた慶子さんと宿を訪ね、慶子さんは敦夫氏との6年ぶりの再会に成功。子供が亡くなったことを聞いた敦夫氏は肩を落とし、2人は北海道に帰っていった。

倒産やリストラが招く、多くの悲劇の中のひとつと言ってしまえばそれまでだが、夫婦の悲しさが胸を刺す、つらい事件であった。

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